2022年1月30日日曜日

「10年、誰にも言えなかった」 原発事故後に甲状腺がんに 10代で発症した6人、東電提訴(注:福島甲状腺がんの子現在約300名、最年少では4歳児発症)

 

 国連は福島事故10年で「健康被害なし!」と宣言。

そして11年目にして、日本国内ではたった6人が甲状腺がんで提訴!

でももう福島では300名もの甲状腺がんの子が手術をしています。

また肺がん転移の壮絶な治療の話を私は2013年くらいから聞いていて、ツイートで拡散していたら、2014年1月、福島への帰還を進めるエートスという市民団体に、刑事告訴まで受けました。

今回の裁判開始を受け、短い英語動画を作りまして、息子が日本語字幕を付けてくれました。

どうぞ拡散をお願いいたします。竹野内真理


 

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「10年、誰にも言えなかった」 原発事故後に甲状腺がんに 10代で発症した6人、東電提訴

2022年1月27日 20時47分 東京新聞
 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が27日、東電に慰謝料など総額6億1600万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。訴訟では、被ばくと甲状腺がんの因果関係の有無が最大の争点となる見通し。

原発事故による被ばくで甲状腺がんを発病したとして、東電に賠償を求め提訴後、記者会見する原告弁護団ら=いずれも東京・永田町の衆院第1議員会館で

 事故当時6~16歳だった6人は、福島県内や東京都、神奈川県に住む高校生やアルバイト、会社員。10代で甲状腺がんになり、2人が片側を切除、4人が再発で全摘し、肺に転移した人もいる。手術や治療で大学や仕事を辞めたり、日常生活が制限されて再発への不安も抱えたりしている。
 訴状では、6人を含む福島県内の子どもに見つかった甲状腺がんの多くが遺伝性ではなく、被ばく以外の原因が考えられないと指摘。他の原因があるならば、東電がそれを立証する必要があると主張している。
 通常、診断報告される子どもの甲状腺がんの発症数は年間100万人に1~2人程度。原発事故後、福島県の県民健康調査などで約300人が甲状腺がんかその疑いと診断されたが、県の専門家会議は被ばくとの因果関係について「現時点では認められない」としている。
 東電は「請求内容や主張を詳しくうかがった上で誠実に対応する」とコメントを出した。

◆声を上げることで状況変えたい

 「甲状腺がんになったと言えば差別されるのではと恐怖を感じ、わたしたちは誰にも言えずこの10年を過ごしてきた」。27日午後、提訴後に東京都内で記者会見した原告の女性(26)は、涙で声を詰まらせながら訴えた。「でも甲状腺がんで苦しむ子が約300人いる。声を上げることで少しでもいい方に状況を変えたい」

東電を提訴後、記者会見する原告の女性

 福島県中部の中通り出身の女性は大学2年生の19歳だった2015年、甲状腺がんと告知された。翌年に甲状腺の片側を切除する手術後、体力が極端に落ちた。体調不良も続き、都内の大学卒業後に就職した広告代理店を1年半で退職。今は都内で事務の仕事をする。「夢だった仕事を諦めざるを得なかった上、今も仕事がまともにできないのがつらい。将来への夢や希望を持つことができなくなった」
 がん告知を受けた直後、医師から「原発事故とは関係ありません」と説明され、違和感を抱いた。

◆その日は外で引っ越し作業を…

 それを一緒に聞いた母親の頭には、福島第一原発3号機で水素爆発があった11年3月14日がよぎった。震災で半壊になった祖父母の家の荷物の運び出しを外で手伝っていた。夕方に爆発を知ってすぐ女性を屋内に入れた。「あの時、引っ越しを手伝わせなければ」。病院からの帰宅途中、母親が漏らした一言。女性に後悔を見せたのは、この時だけだったという。
 女性は告知を受けるまでの検査のために、福島と東京を何度も行き来した。保険診療の医療費は県が全額支援するが、交通費は含まれない。新幹線よりも安い長距離バスで通ったが、体力的にきつくなった。

◆東京で手術や検査、重い負担に

 福島の病院への不信感から、告知を受けてからは東京で手術や検査を受けた。そのたびに両親が上京し、少しでも首の傷が小さくなるようにと受けた内視鏡手術は、当時は県の支援対象外で自費だった。
 治療が続く中で女性は大学の返済不要の奨学金の申請を忘れ、3年から授業料が全額負担に。「両親が保険の組み替えの相談をしているのを聞き、迷惑をかけてしまったと落ち込んだ」

◆再発おびえ「この先どうなるか不安」

 手術後、頻繁に風邪をひき、肺炎や気管支炎、ぜんそくになった。だが甲状腺がん治療と認められなければ支援の対象外。県の医療費支援は国の補助金を原資として毎年予算を組み「なるべく長く続ける」(県民健康調査課)としているが、いつまで続くか分からない。女性は「常に再発におびえ、この先どうなるのか強い不安がある」と支援拡充も求めている。(片山夏子)

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