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2020年5月17日日曜日
2012年5月12日バンダジェフスキーの講演
https://prepper.blog.fc2.com/blog-entry-280.htmlより
バンダジェフスキー博士1. #福島 とチェルノ #放射線 防御・市民会議のウエブより
2012年5月12日
みなさん、こんにちは。
科学的なデータに基づいて、数年前からやろうとしてきたことをお話したいと思います。
これまで、しばらく私が、チェルノブイリ事故の影響からの、人々の放射線防護、健康の保護という仕事を始めたときに遡って、このお話を始めたいと思います。
私は、1990年、(ベラルーシの)ゴメリ(州)に参りました。
その当時は、この場所について、ほとんど存じませんでした。
ゴメリの医科大学で、私は医者を養成するだけではなく、包括的な人々の健康を守るプログラムを作る試みをしていたのです。
さて、むやみにセンセーショナルに人の興味を煽ったりするのではなく、具体的な科学的な真実を述べたいと思います。
1960年代に、ちょっと時代を遡りましょう。
これは生物科学省から、1964年に発表された旧ソ連諸国の汚染状態の表です。
ロシアやベラルーシ、ウクライナなどが、このセシウムですでに1965年以前に汚染されていたわけですね。
これはベラルーシの1960年代の汚染地図です。
チェルノブイリの事故の後、(旧ソ連が崩壊したためにいろいろな情報が出てきて)はっきりしたのは、チェルノブイリ事故以前から、汚染はあった、ということです。
人々は、チェルノブイリ以前から、かなり汚染された食品を食べていたわけです。
人々の健康状態は50年以上前から、内部被曝してきた、ということです。
この地図は、もちろん政府によって抑圧されてきました。
旧ソ連によって、チェルノブイリ関係の資料は抑圧されてきて、コピーの形で流通していたりしたわけです。
ロシアの主要な新聞などは、公式には存在しないと言われてきたこの書物について、言及するのを恐れて載せなかったぐらいです。
人々の放射能の汚染ですが、まず人口動態について見てみますと、どういう角度から見ても、誰がどのように隠そうとしても、
どう考えても状態は壊滅的なわけです。
クりックで拡大表示。
※管理人:
講演で使用されたスライドには、このような説明はありません。これは管理人の方で説明を加えたものです。
子供の健康状態もそうです。
さて、これは死亡率ですね。
ベラルーシのより汚染の酷い地域の死亡率です。
これはチェルノブイリの後ですね。
ここに書かれているゴメリ地区以下のすべてエリアで汚染が激しいことが分かります。
そして、イヴァンコフ地区というのは、チェルノブイリから30kmほど離れたところにあります。
非常に近いところです。
そして、そこも恐ろしいほどの死亡率を示しています。(下の図)
また、キエフでも、状況は、あまり変わらない、ということを申し上げなければなりません。
私がイヴァンコフ地区に参りましたときには、すでに多くの人が亡くなっていました。
300人の人が、すでに亡くなっていたわけです。
ですから、死亡率は、これらの地区では、とても酷い状態にありました。
まだ、年金需給の年齢に達していないような人たちが、とんどん亡くなっていったわけです。
いたばん大きな原因は、循環器系統、そして心臓疾患です。
これは、(旧ソ連の)ロシア、ウクライナ…どの国でも(死亡率の)パーセンテージは同じです。
人々が受けた汚染の状態が同じ場合は、死亡率のパーセンテージは同じです。
さて、それでは放射性セシウムですね。
調査の過程で見てきたわけですが、これらの研究は途中で止めてしまったようです。
なぜなら、圧力があったのかは分かりません。
裁判になったり、そういったことが恐かったのかも知れませんが…。
これは、ベラルーシの動物(おそらく家畜を使った実験)でのみ、調査が行われており、確認されております。
※管理人:
上の図は、ベラルーシの動物(一つの固体)の内臓の蓄積されたヨウ素、セシウムの量。
ヨウ素で多いのは、①Glande thyroide(甲状腺)、②Muscles squelettiques(筋肉と骨)、③Intestine grele(腸)の順。
セシウムで多い順番は、①Glande thyroide(甲状腺)ダントツに多い、②Muscles squelettiques(筋肉と骨)、③Intestine grele(腸)。
甲状腺への放射性セシウムが突出しているのが気になります。
動物では、放射性セシウムの影響が確認されていますが、甲状腺への放射性セシウムが見られます。
これ、ヨウ素だけではありません。
甲状腺への影響はヨウ素だけでなく、セシウムも大いに影響しています。
問題は、もっと複雑なのです。
心臓にも、肝臓にも影響を与えます。
すべての主要な臓器にセシウムが吸着されていきます。そして、影響を与えるのです。
管理人:
これはベラルーシの動物の例ですが、ヨウ素の半減期が過ぎてしまえば、甲状腺へのとりあえずの深刻なダメージは去ったと思いがちですが、実はそうではなく、その後も、セシウムが食べ物から甲状腺にどんどん溜まっていくことが、動物では確認された、ということです。
ですから、長寿命放射性核種ですね-(セシウム137などの)半減期が長い核種のことですけれども、こういったものが、すべての主要な臓器に吸着されていきます。
その結果ですが、臓器の活力が失われます。すべての臓器に影響があるわけです。
もちろん、臓器や内臓の系の分析を行うわけではありませんが、このすべての臓器に影響があった結果、どのような深刻な結果となるのかは明らかです。
放射性セシウムは、ベータ線とガンマ線を出す、たいへん危険なものです。動物の実験による結果と、生体解剖によって得られた結果とが合致しました。
ここでは、(動物の)筋肉なども影響されていることが分かります。
(動物の)体内で、180~200ベクレルで、いろいろな影響が出ていることがわかっています。
定期的で継続的な影響が生体、人体にも1kg当たり、10ベクレル、20ベクレル、30ベクレルで、すでに体に影響があるんです。
また、性と生殖に関する機能にも影響がありますし、変異が起こったりもします。
神経系統も影響を受けます。
これは、動物の中ではホルモン系も影響を受けます。
たとえ、1kg当たり10ベクレルであっても、このようなダメージが起こるわけです。このような機能障害が起きるのです。
たとえば、1kg当たり20ベクレルあったとすると、奇形や障害が、より明らかに現われてくることでしょう。
私たちは、1999年まで、このゴメリ大学で働いていた間に受け取ったもので、さまざまな検査を行いましたが、ある本があります。
フランスでも、この本が出ましたが、1kg当たり10ベクレルでも影響があるんです。
1kg当たり10ベクレルの場合、子供の心臓疾患についてみてみたときに、かなりリスクが上がることが分かります。
病理的な変異が起こるわけです。
1kg当たり10ベクレルという値が最低レべルだとしても、その人の遺伝系に、すでに異変が起き、心臓系を司る遺伝系に異常が起こるのです。
人々を守るという場合に、このことに留意なければなりません。
たとえば、両親が汚染地域に住んでいたとか、そうした親からの子供は非常に脆弱なわけです。
放射性核種とまったく関係のない地域の子供たちと比べて、(放射線の量が高い地域の子供たちには)異常があるわけです。
次に代謝系の話をしたいと思います。
代謝系-これも大きな影響を受けます。
バンダジェフスキー博士30Bq/kg #内部被曝 で突然死 #福島 とチェルノ12May12
たとえば、食物から入ってきた放射性物質によって、代謝系統にも非常に大きな変異が起きます。
これは、ミトコンドリアですが、みなさん細胞質基質がご覧になれるかと思いますが、この外部組織が破壊されています。
体にエネルギーを供給する役割なのに。
特に、1kg当たり40~50ベクレルあると、これらのホルモンの主要な酵素を破壊してしまうということがわかっています。
ベラルーシの中、たとえば、ゴメリなどの幼稚園では、1995年、1kg当たり30ベクレルといった子供たちを診てきました。
こういった子供たちが、このような大きな健康被害を受けているわけです。
そして、突然死の危険が高まります。
私の学部でも、突然死が起こったと聞いています。
しかし、統計的なデータはないんです。
こうした人たちを守るためにデータが必要なんです。
こうした人たちは、大変長期間にわたって放射性物資に晒され続けています。
この調査によりますと、子供の心臓と成人の心臓に及ぼされている影響がよく分かります。
これは心筋細胞です。人々の心筋細胞の写真です。
ある人が突然、亡くなったんですが、ここにお見せするのは大変特徴的な写真で、私、数日前にウクライナの科学者の調査を見ました。
たとえば、1kg当たり50~60ベクレルの放射性物質を持っている動物がいまだに見られるわけです。
そして、生体内にこれがあると考えてみてください。
いかに危険なことでしょうか。
この長期間にわたって放射性核種を取り込み続けるという危険は、このまま隠し続けていくわけにはいきません。
とていうのは、私たちの血管系統も大きく損なわれ、その結果として罹病率が上がり、死亡率が上がるのです。
セシウムの放射性汚染が行われるからです。
こうして汚染地域に住む人たちは、慢性的に腎機能異常に悩まされています。
そして、こういった人たちは、長生きできないです。
非常に重要なことですが、こうした、たくさんの人々の病気の根底にある問題-これは、ちょっと手短にまとめていきますが、これは先天性異常ですね。2000年から2008年までのものを出しています。
これが先天性の心臓障害。
※管理人:
チェルノブイリ事故から25年経っても、(生まれてくる子供の)先天性の心臓障害の発症が増えています。
自分で確かめると戦慄します。
次のスライド…これが先天性障害の例です。
体の中のすべてに臓器に遺伝的な異常があり、これが放射性セシウムによって引き起こされているわけです。
ここで、ハムスターを見てみましょう。
セシウムに被曝したハムスターです。
こういった異常は、非常に簡単に引き起こされてしまうものなんです。
そこで、(ハムスターの)胎児がこうやって変異を起こしていくわけですが、人も同じなわけです。
母親と新生児について。
この母子疾患によって、免疫系が弱って肺の疾患につながり、新生児は出生後1週間以内に死んでしまいます。
そういうことが多いんです。
みなさんには想像もつかないでしょう。
このことをお話するのは、すごく難しいんです。
みなさんに、お伝えするのが大変難しかったんです。
最近でこそ、みなさんにお話する機会が増えてきましたけれど。
放射性セシウムは、基本的にすべての臓器に影響するということなんです。
さて、人々の健康を守るための放射線防護の基準ですけれども、線量が問題ではなく、人々の体内に何があるかが問題だということです。
私たちは、「調整分析センター、エコロジーと健康」というものをつくりましたが、私たちは、放射能汚染地域における総合的生活モデルというプロジェクトをつくりました。
この目的は、汚染地域に恒久的に暮らしている人たちを守るための効率的に住むためのシステムです。
これをやるためには、たくさんの具体的方策が必要です。
ひとつは、地域の実際の汚染レベルを把握すること-というのは、昔は正確な汚染地図なんてなかったんですから、まず、この汚染地図をしっかりと作成することです。
そして、二つ目は食べ物です。
これは住民の食べる食品の中に、セシウムが入っていない状態にすること。
三つ目、情報です。
人々に情報を与えることは大切です。
何をすればいいのか、どのくらいのレベルが危険なのか…。
普通の人たちは、そういうことを知りませんから、きちんと教育していかなければなりません。国際社会に対して同様です。
さて、これが私たちのウェブサイトです。
Chernobyl-today.org
(この講演の後、現在のようなデザインに変更した模様)
このウェブサイトで、たくさんの有用な情報を得ていただけることと思います。
ユーリー・バンダジェフスキー博士のサイト。
「ここで、チェルノブイリ事故で、人々の体に何が起こったのか、有用な情報を入手できる」とバンダジェフスキー博士と言っていますが、まだコンテンツがあまりありません。(日本語版はない)
そして、病院ですね。
病院では、人々を治療する手段がなかったんです。
これが、その地区の中央病院なんです。
手術室
厨房
これは、冗談では、ありません。
これが厨房で、先ほどのが手術室ですね。
これが現実なんです。
これを見せたとき、彼は言葉を失っていました。
放射能防護のヘッドであっても、この現状を知らなかったのです。
こんな状態に置かれている人々がいるなんて想像もできなかったわけです。
これがプランです。
私たちが、こうあってほしい、という理想の形です。
現代的な医療センターです。でも、こんなものを私たちが作れるとお思いでしょうか。
この資金は、どこから、どうやって手に入れればいいのでしょうか。
それだけの資金を得られるかどうかは、難しいといわざるを得ません。
原子力の専門家の協力を得て、お金を工面する手前までは(話は)進むんです。そこから先は、お金が問題なんです。
そして、リハビリセンターです。
循環器系の(疾患のある)子供が大変に多いので、すべての子供たちを、どうにかして治療してあげなければならないのです。
そして、治療した後は、汚染された食べ物を食べなくてもいいようにしなければならない。
母と子を守らなければなりません。
そうすることによって、代謝系の問題、そして、先天性の問題を解決することが、初めてできるわけです。
甲状腺だとか、脾臓だとか、そういった臓器の健康を治していかなければ、今後の人々の健康はないのです。
(ここで終り)
管理人:
この動画を文字に起こして意味が通じるようにするには、難解な英語の記事を訳す場合の数倍の努力を必要とします。
これでは、忙しい一般の人には伝わりません。せっかくなのに、もったいないことです。
まず、バンダジェフスキー博士の調査・研究によると、(この講演の内容から)以下のことが分かります。
1)旧ソ連時代は、チェルノブイリ原発事故が起こる前から汚染されていて、人々は何も知らされないまま内部被曝させられていた。
2)旧ソ連時代、1960年あたりから人口増加率が徐々に低下していったが、チェルノブイリ事故後、さらに急激に人口増加率が下がって、特にベラルーシではマイナスに転じ、それが今でも続いている。つまり、人口が減り続けている。
3)チェルノブイリから30km離れたイヴァンコフ(Ivankov)地区の中の特に汚染が酷い地域は、死亡率が25%以上で、それが今でも続いている。これは壊滅状態。いずれ人口ゼロになるだろう。
4)人間のデータがないので、あくまで動物実験の結果だが、甲状腺にダメージを与えるのは、大量の放射性ヨウ素に被曝する原発事故の初期の段階だけでなく、その後、何年も、何十年も食べ物から放射性セシウムを取り込むことによって、長い間、甲状腺にダメージを与えている。
5)体内に取り込んだ放射性物質が1kg当たり30ベクレルのレベルになると、子供たちにも突然死の危険が高まる。
6)単に線量が問題ではなく、人間の体内に、どんな核種があるかが問題。
7)1kg当たり10ベクレルという値が最低レべルだとしても、その人の遺伝系に、すでに異変が起き、心臓系を司る遺伝系に異常が起こる。
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